「群像」2月号より。「人称の磁場」。「私」が「あなた」に語りかけることで「私」と「あなた」が主体として一体化した結果、「わたしたち」が生まれる。すると、「わたしたち」という集合体に対峙するのは、「あなたたち」ではなく、完全なる外部の存在、すなわち第三者、ということになる。「彼/彼女」「彼ら」という三人称の登場である。三浦は、ここの人称という仕組みのなかに始原的なものとしてイジメの構造があり、そして「死」の概念、すなわち孤独を誕生させている、と考える。
「死」はともかく、イジメに関しては以前から誰が悪いというレベルの問題だけでなく、ニンゲンの本質的な暗さにかかわっていると考えていたので、ヒジョーに納得してしまった。
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