ブラジル生まれでカナダに移住していた留学生の日本の高校での様子が軸にはなっているが、ここに来て担任の行動も語られるようになってきた。おもしろいのだが、やはりなぜおもしろいのかがわからない。物語性を排除し、シンプルにリアリティのみを追求しているからか。ここでのリアリティとは、リアリズムのことではない。事実をそのままに書き写す、といった感覚だろうか。ただし本作が現実の書き写しだけから成り立っているというわけではないだろう。逆に、すべてが創作のように思える。
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/01/07
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