わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

川上弘美『真鶴』

 ようやく物語がダイナミックに動きはじめる…のだろうか。不在の夫、普段は不在で会えるときにしか会えない妻子持ちの恋人、不在になることを覚えてしまった娘、そして不在なまま主人公を真鶴へ導こうとする幽霊。物語が、見事なまでに「不在」によって動かされている。それが、ふわっふわで熱や匂いの感じられない淡泊な文体で語られるから、空白っぷりがなおさら気になる。

真鶴 (文春文庫)

真鶴 (文春文庫)

真鶴

真鶴

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