ようやく物語がダイナミックに動きはじめる…のだろうか。不在の夫、普段は不在で会えるときにしか会えない妻子持ちの恋人、不在になることを覚えてしまった娘、そして不在なまま主人公を真鶴へ導こうとする幽霊。物語が、見事なまでに「不在」によって動かされている。それが、ふわっふわで熱や匂いの感じられない淡泊な文体で語られるから、空白っぷりがなおさら気になる。
- 作者: 川上弘美
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