主人公は真鶴で、失踪した夫が浮気する現場を見てしまったことを思い出す。だがそれが、確かな記憶なのかどうかはわからない。ケムに巻くような文体。行間がすっかすかだから、読者は無理やり行間を読もうとしてしまう。その結果、作者の作意に飲み込まれてしまう。文体に弄ばれてしまう。気づけばストーリーは、勝手に、マイペースに、前へと進んでいる。読むペースが掴めない小説だ。
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