わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

田中慎弥「燃える家」(8)

「群像」六月号掲載。詩を書こうとして書けなかった徹、書こうともしないことで何かを変えようとしている、あるいは何も変えようとしていない、そのどちらなのかよくわからない、だが状況を限界まで楽しもうとする捻くれた考えを持つ徹の友人である相沢との対比。二人はまったく違うのではなく、実はおなじ考えをもっているのではないか、ただ、その考えの表出のされ方がまったく違う。そういうことなのではないか。そしてその表出方法の違いは主に、9.11テロに由来するのではないか。そんなことを考えながら読んだ。

群像 2011年 06月号 [雑誌]

群像 2011年 06月号 [雑誌]

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