「黄色い箱」。おそらく後藤と同一人物らしい語り手の男は、ぼやくように移転してきた千葉の地方都市の商店街について語りつづける。ほんのりと自虐的で視点がまるでさだまらず、それでいて微細な部分にまで観察力が行き渡り、さらにはそこから些細なレベルではあるが想像力をめぐらせてあれこれ思案する。これがもし140字で収まったら、立派な「Twit」になる、ということなのだろう。今風に言えば。
語り手は、家から見える「黄色い箱」のような建物のほうへ向かって歩いてゆく…。
- 作者: 後藤明生
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/10
- メディア: 文庫
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