第五章。幼稚園でのおぼろげな思い出。第二次大戦後、日本では墨塗り教科書ってのがあったそうだが、ドイツではナチスのスタンプを上から紙を貼って消す、という作業をした……のだろうか。小説は虚構だから事実にもとづいているかどうかはわからんが、そんな作業を主人公が幼稚園時代にした、という話。子どもの純粋さや単純さと社会の複雑さとの対比が際立つ。
第六章。ある養子とその養母、養叔母(?)の悲劇。めずらしくしっかりとした物語になっている。
第七章、読みはじめたばかりだが、冒頭から既存の小説、物語のパターンというものをカゲキに否定している。スゲエ。
- 作者: ゲルハルトケップフ,Gerhard Kopf,園田みどり
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1993/07
- メディア: 単行本
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