わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

ゲルハルト・ケップフ『フクロウの眼』

 第五章。幼稚園でのおぼろげな思い出。第二次大戦後、日本では墨塗り教科書ってのがあったそうだが、ドイツではナチスのスタンプを上から紙を貼って消す、という作業をした……のだろうか。小説は虚構だから事実にもとづいているかどうかはわからんが、そんな作業を主人公が幼稚園時代にした、という話。子どもの純粋さや単純さと社会の複雑さとの対比が際立つ。
 第六章。ある養子とその養母、養叔母(?)の悲劇。めずらしくしっかりとした物語になっている。
 第七章、読みはじめたばかりだが、冒頭から既存の小説、物語のパターンというものをカゲキに否定している。スゲエ。

ふくろうの眼 (文学の冒険)

ふくろうの眼 (文学の冒険)

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