わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

円城塔「良い夜を持っている」

 息子が父が他界したころの年齢になってから、父の半生を振り返る……と書くとフツーの小説っぽいのだが、そうではない。父親は驚異的な記憶力を持ちながらも現実と虚構がないまぜになってしまうらしく、晩年は学者の研究対象になっていた。息子はその学者が残した著書から、父のリアルな姿を少しずつ追っていく。
 円城塔の作品にしては、かなり読みやすいかな。いや、そんなことないか。物語性は強い。

新潮 2011年 09月号 [雑誌]

新潮 2011年 09月号 [雑誌]

円城塔の作品はこちら。心地よき難解。ほほえましき不可思議。