「群像」12月号掲載。戦後文学特集。この作家ははじめて読んだ。物質的なもの以外は何も信じないという現代的な考え方と、愛する妻の死を悲しんだり先祖の霊に畏敬し謝罪したりする霊的・宗教的な考え方とが静かにせめぎ合っている。自身の気持ちが揺らいでいるから、世界がわからない。未来がわからない。それを語り手は「悲しいだけ」と表現する。この閉塞的な雰囲気は、この作品が書かれた1970年代という時代に固有のものだったのだろうか。
![群像 2011年 12月号 [雑誌] 群像 2011年 12月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61YKsGqIFdL._SL160_.jpg)
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/11/07
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (11件) を見る

- 作者: 藤枝静男,川西政明
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/12/05
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (29件) を見る