戦後文学に必須とまではいかないが重要な要素として上げられるのが「政治」。政治の亡霊はどこまでも青年につきまとい、その生き方を惑わせる。現代の小説からその要素が消えてしまったかと言うとそうでもないのだが、少なくとも、大きく変質している。戦後まもなくは政治思想がなければアイデンティティを維持できなかったが、現在はそんなことはない。もっとも、政治に変わってその他の要素がアイデンティティを大きく左右するようになった、ということなのだけれど。
- 作者: 野間宏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/12/15
- メディア: 文庫
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