わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

野間宏「暗い絵」

 戦後文学に必須とまではいかないが重要な要素として上げられるのが「政治」。政治の亡霊はどこまでも青年につきまとい、その生き方を惑わせる。現代の小説からその要素が消えてしまったかと言うとそうでもないのだが、少なくとも、大きく変質している。戦後まもなくは政治思想がなければアイデンティティを維持できなかったが、現在はそんなことはない。もっとも、政治に変わってその他の要素がアイデンティティを大きく左右するようになった、ということなのだけれど。

暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)

暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)

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