わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

豆腐の上をタクシーが移動している

 手首に激痛を感じて飛び起きたら花子の仕業で、時計を見ればまだ陽ののぼる気配も感じられぬ三時十五分、ということは花子のいつものライフスタイル、生態的習性から察するまでもなく、朝ゴハンと呼ぶにはあまりに早すぎる食事を催促しているわけだが、噛まれた手首に二つの小さいが深い穴があき、そこから血が噴き出しているというのは、おい花子、やりすぎじゃねーか。夜の闇のなかで、ブツクサと文句を言いながら猫缶を開け、皿に盛り、便秘対策の猫用ビオフェルミンと慢性腎不全対策の猫用コエンザイムをパラパラと振りかけてから花子に与えるのだが、手首から血はジクジクという程度ではあるが滲みつづけている。猫の口のなかは雑菌だらけなのだから念のため、と、闇の中で救急箱を取り出し、マキロンを傷口にシュッとかけるのだが、そのときに感じた痛さが引き金なったのだろう、なんだか釈然としないばかりか怒りのようなものが込み上げてきて、当然それを花子にぶつけまくったらアカンとはわかっているので、一言二言三言四言、不満を訴え改善を求めるような口調で花子をしかったのだが、もちろんその程度で怒りは収まるはずがなく、そのまま脳味噌が妙にさえてしまい、布団にふたたび潜り込んでも一向に眠気は戻らず、明瞭な意識を抱え込んだまま、体をくの字に曲げてあー、だの、うー、だのとつぶやいているのだが、次第に花子に抗議したい気持ちは失せ、なんでおれはこんなに頭が冴えているんだ、ならば今、仕事でもしておいたほうがいいのだろうか、とも思ったのだが、そこから先の意識はなくて、気づけば豆腐の上をタクシーが移動している、といった具合の情景も意味もまったくわからない夢の中にいて、それが現実なのか夢なのかよくわからぬうちに、目覚まし時計の電子音がピピピと鳴った。六時。
 身支度、ドウブツの世話、掃除。今朝も今年一番の冷え込みなのではないか。山梨に住む知人は、水道が凍ったとTwitterでつぶやいていた。現代の東京ではちょっと想像しにくい。
 朝一番でコピーを一本メールにて納品。その後、外出。しっかり服を着ているというのに、どこかが裸になってしまっているのではないか、と錯覚するほど寒い。
 十一時、大崎にて新規案件の打ち合わせ。ママになりたい女性向けの商品。うーむ。
 大崎駅ナカの長崎ちゃんぽんでチャチャッと昼食。こういう場所はあまり好きではないのだが、長崎ちゃんぽんは食べたかったので入った。予想通りの味だが、裏切られた感覚はないので満足。
 茗荷谷へ移動。サンマルクカフェで紅茶を飲みながら、持ち歩いていたiPadと外付けキーボードで別件の作業を進める。
 十四時、新規案件の打ち合わせ。乳幼児のいるママ向けのキャンペーン。うーむ。どうして赤ちゃんづいているのだろう。
 十六時、帰社/帰宅。作業をはじめるが、睡魔に襲われて小一時間ほど寝てしまう。
 十九時、西荻窪駅前へ。歩きながら、そして書店で立ち読み(といっても熟読ではなく雑誌をぱらぱらとめくる程度)しながら、アイデアを練った。
 夕食はサバを食べた。