物語の新しい語り方、なのだろうか……。実験的なのだが難解ではない。作品世界に読者をぐいぐいと引き込む力もある。だが、ここに描かれた会話はいい加減の極み。したがって読者もいい加減な与太話としてそれを読む。コミュニケーションを成立させないことから生まれた与太話。真実は何も語られていない。虚構から垣間見える真理もないのだろう。だが、それでいい。なぜなら小説とは自由な表現形態なのだから。そんなことを思った。個人的には、この作品好きです。許せないとかわからないという声は多そうだけれど。
- 作者: 福永信
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/11/12
- メディア: 単行本
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