わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

高橋源一郎『さよならクリストファー・ロビン』

 源一郎さんの最新刊。長編、というより連作短編かな。巻頭の表題作と、二作目の「峠のわが家」を読んだ。どちらも初出時に「新潮」で読んでいたので新鮮味はなかったが、デビュー作『さようなら、ギャングたち』に回帰したような作風に成熟した大人の視線と無邪気な子どもの感情とが入り交じり、そのアンバランスさが時折不思議と涙を誘う。二人の子どもと暮らす今の源一郎さんの姿がかなり投影されているようだ。

さよならクリストファー・ロビン

さよならクリストファー・ロビン

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