わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

藤谷治「鷗よ、語れ」読了

 ひっさびさに、テーマの明快な小説を読んだ気がする。震災後という1つの時代において、あるいはその時代を超越して普遍的に、文学はどうあるべきか、何を語るべきなのか、という問いに対する藤谷氏なりの回答がある。それが如実に表れているのが、太宰について語っている部分だ。自分の考えに重なる部分が大きくて納得。だが一方で、だからこそなのか、小説作品としての本作に、軽い違和感を覚えたりもする……。だが、本作が気に入ったのは確かなのだ。次作、要チェックだな。

新潮 2012年 10月号 [雑誌]

新潮 2012年 10月号 [雑誌]

藤谷治の作品はこちら。どれがおすすめなんだろう。本作がおもしろかったら、単行本も読んでみよう。
斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇 (文春文庫)

斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇 (文春文庫)

津軽 (新潮文庫)

津軽 (新潮文庫)

富嶽百景・走れメロス 他八篇 (岩波文庫)

富嶽百景・走れメロス 他八篇 (岩波文庫)

新ハムレット (新潮文庫)

新ハムレット (新潮文庫)

奇想と微笑―太宰治傑作選 (光文社文庫)

奇想と微笑―太宰治傑作選 (光文社文庫)

太宰治の作品はこちら。ある程度読んでるし面白いと思うのだが、ホンットに思い入れがないんだよなあ、この作家。