ラストに付録として、原発事故時にインタビューで反・反原発や反エコロジーを訴え、それが最後のインタビューとなってしまった思想家、吉本隆明への批評が掲載されていた。共産主義的な唯物史観が吉本さんの思想のベースにあるからああいう考えを持つ理由は納得なんだよな、と当時思っていたが、そのあたりのことをとても丁寧に解説してくれている。その上での、明確な反論。反論というスタイルを借りた追悼。愛ある批評。そんな文章だった。論理的な文章だというのに、読み終えると涙が浮かんでくる。不思議な体験だった。
作品全体は、「野生の科学」という新しいジャンルの提唱になっているわけだが、その大半が「○○学+トポロジー」という感じ。もっと異なる視点や学問同士の融合を見てみたい、と思った。学生の時にこれを読んだら、夢中になっていただろうなあ。

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