「群像」6月号掲載。2年以上の連載が、ようやく終了。最後まで見事な迷走。後半は奇妙な文章構造や主格の混乱、句読点の乱れなど、意図的なのだろうがどんどん文章が乱れ、暴走する思考とともに文体まで疾走しているような(ときおりだらっと休んだり立ち止まってよそ見したりもするのだが)、おかしなグルーブ感が強まっていった。旧友たちとの交流や不倫まがいの旅行といったさまざまなエピソードはみな途中放棄されるように連載のなかで忘れ去られ、最後は地域猫の闘病と死をひたすら追いつづけたかと思ったら、最初の書き出しにつながるような見事なラスト。なんか、すさまじかったなあ…。
本当にわけがわからない小説。不条理であることすら放棄するような、クリエイティブな投げやり感とでも言おうか。ぼくはこういうの、大好きです。
ああ、また楽しみが一つ減ってしまった。「群像」を買う理由が減ってしまった…。
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- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/05/07
- メディア: 雑誌
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