「新潮」2012年1月号掲載。処分しようと思っていたが、つい読んでしまった。よくある同棲中の喧嘩を描いた私小説なのだが、語り手=主人公=おそらく西村自身がどーしょもないろくでなしであることをまったく書くそうとしていないところに、安吾を超えたデカダンスというか、開き直りというか、とんでもない意思の太さを感じる。それでいて、実は内容自体は細い。折れそうなくらい繊細。そのギャップがおもしろい。その、繊細な部分すら西村は隠さずさらけ出す。そこがすごい。
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