わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

高橋源一郎『銀河鉄道の彼方に』

 冒頭は賢治の『銀河鉄道の夜』ほぼそのままだが、微妙に異なっていて、それが大きな違いとなって、しかし全体の流れや漠然と存在する雰囲気のようなものは賢治の『銀河鉄道』に近いというのはどういうわけか。
 賢治の『銀河鉄道』は孤独な作品だ。最後で父が帰ってくるが、それでも読後は孤独な気持ちでいっぱいになる。孤独が、物語すら凌駕してしまっているのだ。おそらくはそれが宇宙の本質なのだ、ということを、賢治は漠然と考え、この考えから作品世界をつくったのではないか、と思えてしまうのだが、うーん、どうなんでしょ。

銀河鉄道の彼方に

銀河鉄道の彼方に

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