冒頭は賢治の『銀河鉄道の夜』ほぼそのままだが、微妙に異なっていて、それが大きな違いとなって、しかし全体の流れや漠然と存在する雰囲気のようなものは賢治の『銀河鉄道』に近いというのはどういうわけか。
賢治の『銀河鉄道』は孤独な作品だ。最後で父が帰ってくるが、それでも読後は孤独な気持ちでいっぱいになる。孤独が、物語すら凌駕してしまっているのだ。おそらくはそれが宇宙の本質なのだ、ということを、賢治は漠然と考え、この考えから作品世界をつくったのではないか、と思えてしまうのだが、うーん、どうなんでしょ。
- 作者: 高橋源一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/06/05
- メディア: 単行本
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