就職活動にどうしても身を入れることができない大学五年生が、今風に言えば「まだ本気出してないだけ」的な気持ちに近いのかもしれないが、一瞬逃避して、それから改めて就職戦線に突撃しようということで、平日に、気まぐれに登山をはじめる。
小説としては描写が「子供たちの道」よりも丁寧で読みごたえがある。今から四十年以上前だろうか、当時の大卒の就職状況がわかったりするのも面白い。
- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/01/26
- メディア: 文庫
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