わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉「男たちの円居」

 就職活動にどうしても身を入れることができない大学五年生が、今風に言えば「まだ本気出してないだけ」的な気持ちに近いのかもしれないが、一瞬逃避して、それから改めて就職戦線に突撃しようということで、平日に、気まぐれに登山をはじめる。
 小説としては描写が「子供たちの道」よりも丁寧で読みごたえがある。今から四十年以上前だろうか、当時の大卒の就職状況がわかったりするのも面白い。

雪の下の蟹・男たちの円居 (講談社文芸文庫)

雪の下の蟹・男たちの円居 (講談社文芸文庫)

古井由吉の作品はこちら。