極限状況かと思いきや意外に中途半端で、その余裕からか、状況を克明に描写したり考察したりという余裕がある程度主人公に残っている分だけ、逆にリアリティがある。文学部の学生という、当時としては中途半端でおさきの見えない状況にある青年を、その状況から大きく離すことで、中途半端な存在そのものしっかりと描き抜いた。なるほど。
- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/01/26
- メディア: 文庫
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130914土