わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉「男たちの円居」読了

 極限状況かと思いきや意外に中途半端で、その余裕からか、状況を克明に描写したり考察したりという余裕がある程度主人公に残っている分だけ、逆にリアリティがある。文学部の学生という、当時としては中途半端でおさきの見えない状況にある青年を、その状況から大きく離すことで、中途半端な存在そのものしっかりと描き抜いた。なるほど。

雪の下の蟹・男たちの円居 (講談社文芸文庫)

雪の下の蟹・男たちの円居 (講談社文芸文庫)

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130914土