「群像」11月号掲載。『未明の闘争』は連載でずっと読んでいた。文法を無視することで違和感を高めて小説世界にねじれた感覚を出してみたり、散漫なのに入り組んだ複雑な構成を思うままに広げていくことで作品世界に不思議なリンクを生じさせたり。2010年代の日本文学における最大の奇書だと思う。もちろん、これは絶賛しているという意味です。
対談としては、ちょっと物足りないところも。イソケンさんが、作風に若干の影響があるというか保坂さんとおなじ方向を向いているところがあるせいだろうか、なんか腰巾着というかエピゴーネンというか、そんな雰囲気が出てしまっているのが残念。イソケンさんも大好きな作家の一人なのだが。もっと引っかき回して欲しかったかな。
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