わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

片岡義男『短編を七つ、書いた順』

「3 花柄を脱がす」。二十代後半の女性が町の洋品店で衝動買いした花柄のシャツが、男性写真家から撮影意欲とインスピレーションを引き出し、その花柄シャツが被写体になったが…というだけの話なのだが、写真家のあらゆる事象に対する執拗な姿勢と女性のナチュラルで本能的な生き方が中途半端に対比的で、そのアンバランスさが妙なおもしろさを生んでいる。
「4 なぜ抱いてくれなかったの」。高校生のときの初デートの相手との再会。そして大人の付き合いの始まりの予感。色恋沙汰の物語であり、「抱いて」という言葉を使っているというのに、全然体臭や肉感がまったく感じられない文体。

短編を七つ、書いた順

短編を七つ、書いた順

 

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