「群像」に連載していた連作短篇。連載中はなぜか読み忘れが多かったので、一度通して全部読みきりたいと思った次第。
「11:55」。いきなり最初から読んでいない作品だった。いじめられ男子の復讐的妄想と現実の復讐。切ない内容だというのに、文体は表層的には無機質さが強く、一切の感情を拒絶している。一人称小説だというのに、不自然なくらい主人公=語り手は自己を客観視している。一般的な小説によくあるトーンなのだが、数字だけのタイトルのおかげで、無機質さと客観性がいっそう際立っている。
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