わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

高橋源一郎『動物記』

「家庭の事情」。「動物の謝肉祭」の全体を包み込んでいたオッサンギャグ的寒さは鳴りを潜め、パンダ、カンガルー、チーター、シロクマのメスたちの夫婦生活と家庭内の不協和音、そして仮定の崩壊が、淡々と描かれる。動物ということにしているけれど、まあ、日本人女性のメタファーになっているわけで。

 希望の光がまったく見えないまま、無責任な感じで物語が突き進むさまは、『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』に通じるところがある。あれほど絶望的じゃないけどね。

動物記

動物記

 

 

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