わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

金井美恵子『砂の粒/孤独な場所で 金井美恵子自選短篇集』

「1+1」。小さな事務所で何かの研究のための資料整理の仕事をする男のモノローグ。男には事務担当の女性と、もう一人自分とまったくおなじ仕事をする同僚がいるように描かれているが、読み進めているうちに、どうやらコイツは男のもう一つの人格、ほとんどカーボンコピーのような存在なのだが明らかに別の人格として存在していて、だから他の人には見えないのではないか、と思えてきた。タイトルは、そういう意味なのかな。