「群像」2015年12月号掲載。近世ヨーロッパの王国において、王は二つの身体を持つとする独特の政治神学(国王二体論)が、ここ数カ月つづいている。
キリスト教圏の世界における時間(もっと絞り込んで言うと「持続性」)の概念や普遍という概念の捉え方に、「天使」という神と人間の中間的な存在(その視点)が大きく影響している。さらには当時の、現代人から見ると不思議な税制も国王二体論に深く関わってくる。そうか、当時は税とは定期的に納めるものではなかったのか。そこに、納税の持続・継続という概念が生まれると、王制の持続という観念が導かれて…。
なんだか、まだ遠回りに考えているような気がする。ま、そこがおもしろいのだけれどね。