「群像」2016年7月号掲載の、新連載第1回目。今月はコレのほかに、三浦雅士の単行本未発表の文芸批評「孤独の発明」の最終章として、「言語の政治学」もはじまっている。これも楽しみなのだけれど、忙しくて腰を据えて読む時間をなかなかつくれないんだよね。熊野純彦、大澤真幸、佐々木敦の連載も、なんだけど。寂聴の老人私小説は、今月はお休み。
橋本治が今何歳なのか知らないけれど、九十八歳になって身体機能も思考能力も衰えてきているけれど筆だけはどんどん進む、という設定で書かれている変な作品。アジアンの馬場園のあだ名の話とか、妙なエピソードが軽妙につづられている。九十八歳でこれだけ軽い思考ができたらさぞかしカッコいいだろうなあ、という感じ。