どうやら安土桃山時代頃に生まれたらしい、日本伝統のストラップ「根付け」の、歴史的名品と現代作家の作品、両方を一度に楽しめる展覧会。展示品が小さいので、虫眼鏡を渡される。こんなのはじめてだ(笑)。種類、モチーフだけでなく、原料や技法もよくわかる。個人的には、妖怪や動物をあつかった作品が特に気に入った。緻密かつ想像力豊かな造形に感動。
現代の服装で根付けを身に付けた例がマネキンで展示されていたのだが、妙に愛着と親近感を感じるシルエット、そしてずいぶん凝ったディテールの服だ、もしや、と思ったら案の定、愛するYohji Yamamoto pour hommeだった。黒のウールギャバジンのジャケットなのだが、左側のベントがファスナーになっていてジップアップされており、そこから見えるパンツのウエスト部分に根付けがうまく付けられていた。パンツも同素材で、ほとんどハカマだ。作家の私物とある。思わずニヤリ。