わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」近代篇16 剰余権力

「群像」2018年3月号掲載。

 資本が資本を生み、概念が概念を生む、という近代を読み解く鍵となるこの循環構造をベースに、小説という文学形式の誕生と確立について考察している。だがダイレクトに小説論に行くのではなく、途中に、清教徒たちの「日記」の習慣についてを、そしてこれと結びつけるようにして、近世篇で登場した王の身体の二重性ともリンクする概念「剰余権力」について考察している。そのトリガーになるのが、フーコーの『監視と処罰(監獄の誕生)』。ここに登場する監視塔の事例とその構造から、近代的な権力構造や社会構造とは何か、考察を進めている。その先にあるのが、小説という形式だ。構造という言葉を使っちゃったけど、小説は文学形式としては、構造だけで語れるわけではないんだよね。だからここでは不適切かな。

 

 

群像 2018年 03 月号 [雑誌]

群像 2018年 03 月号 [雑誌]

 

 

 

監獄の誕生―監視と処罰

監獄の誕生―監視と処罰

 

 

 

〈世界史〉の哲学 近世篇

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<世界史>の哲学 古代篇

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<世界史>の哲学 東洋篇

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<世界史>の哲学 イスラーム篇

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<世界史>の哲学 中世篇

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