五時四十五分起床。眠ると何もかも忘れるようで、目覚めた瞬間、自分がどこにいるのか、今日は平日なのか休日なのか、この睡眠は昼寝だったのか夜の睡眠だったのか、これらすべてが判断不能になっていて、状況を把握するまでしばらくの時間がかかる。…と書くと記憶障害のようだが、きっと誰もがおなじなのだろう。ただ、歳を重ねるにつれてこの、朝の忘却が深刻に思えてくるようになる。心のどこかに、忘却への恐怖があるのだろう。他者に自分を忘れられるより、自分が知り体験したものを忘れることのほうが、数倍恐ろしい。中心がなくなるからだろうか。軸がなければ、コマは回らない。地球も月も太陽系も銀河系も回らない。逆に、忘却さえしなければ、宇宙の真理すら理解できる…かもしれない、ということ…なのだろうか。なんか、違う気もする。
日中はひたすら仕事した。夜も仕事した。