六時二十分起床。曇りがちだが心地よい空と気温。午前中は読書。佐々木敦「全体論と有限(7)」(「群像」2019年6月号掲載)を読む。筒井康隆『モナドの領域』から、小説世界/作者/神(の視点)の相関関係を考察しているのだが、そのフックになっているのが可能主義。SF的に言うと多元宇宙ってことなのかな。この世界の存在を証明できるのはこの世界を俯瞰し自分の外側にあるものとして認識できる存在、ということで神という視点が生まれる…って、この考え方にはあまり可能主義は関わってこないと思うが。
午後は妻と上野へ。東京藝術大学で「藝大の猫展」。芸大の学生と卒業生の制作した猫関連の作品を販売している。学生のものは、彫刻はすばらしかったけれど絵画はまだまだ発展途上という感じ。猫作品以外のものも扱っていたが、作田富幸、西川昇真という二人の作品が非常に気になった。
つづいて東京都美術館で「クリムト展 ウィーンと日本1900」を観る。大行列の大混雑かと思っていたが、そうでもなくて安心。「ベートーベン・フリーズ」の巨大壁画を鑑賞できたのはうれしかったが、全体的に油絵の点数が少なくてちょっと欲求不満気味。でも、「ヘレーネ・クリムトの肖像」「赤子(ゆりかご)」「オイゲニア・プリマフェージの肖像」など、代表作ではないけれど好きな作品もいくつか観ることができた。
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新宿経由で帰宅。