わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

東京ステーションギャラリー「坂田一男 捲土重来」

 明日までだったので滑り込むようにして観てきた。チラシには「キュビスム以降の抽象絵画の展開を核心で理解し、その可能性を極限まで推し進めた画家」とある。図形化された具象を描くキュビスムではなく、抽象画寄りの作品が多いのだが、時折テーマ/モチーフにしているらしい「壷」などが登場するのだが、どうやらそれは「壷」ではなくて手榴弾らしい。キュビスムや抽象画が既成概念や世界認識の破壊と再構築なのだとすれば、手榴弾は描くべき対象そのものの破壊ということになる。ふーむ。だとすれば、坂田一男は自分自身に世界の再構築を背負わせようとしている、ということなのだろうか。ま、解釈するにはぼくはこの作家のことを知らなすぎるのだが。

 台風の被害で冠水したらしい作品群や、意図的に油彩画の表面を剥離させたようにも見える作品はとても興味深かった。ダメージジーンズみたいなもの、なんてお思いながら観ていたわけだが。

 残念だったのは、デッサンやコンポジションがあまりに多くて、完成品があまりなかったこと。まあ、仕方ないのかもしれないけれど。

 

www.ejrcf.or.jp

 

f:id:catkicker001:20200125190436p:plain