「群像」2020年8月号掲載。近代篇で終わってしまったような雰囲気が少しあったのでガッカリしていたのだが、しっかり現代篇がはじまってくれたのでうれしい。
20世紀の思想はフロイトと始まったといってもいいのかもしれない。第1回は、フロイトのエディプス・コンプレックスと資本主義の本質の接点を探るところから始まっている。フロイトの転向や奇行(詳しく知らなかったけど。フロイトは学生時代に『夢判断』と、入門書を少し読んだ程度)が父親の異性に対する不道徳なふるまいに対する無意識の反応に端を発するという考え方は読んでいてエキサイティングだった。近代篇で展開されたプロテスタンティズムと資本主義の関係とフロイトのエディプス・コンプレックスがどうつながっていくのか、は次回以降で触れるとのこと。