五時四十分起床。肌寒い朝。しかしまだ吐く息が白くなるほどではない。外気は冷たさが増しているものの一月二月の肌を刺すような鋭い冷えには至らず、あちこちに枯れ葉が散っているせいか、まだまだ秋をひきずっているように見える。朝のうちの空は重い鉛色の曇天だったが次第に晴れ、明るい日差しが広がったが、風はやや強く、気温もなかなか高くならないようだ。隣家の洗濯物の袖が大暴れしているのが視界の隅のほうにチラリと見えた。
仕事。今年はなにかと慌ただしい。打ち合わせで外出する回数が減っている分だけ作業時間を多く取れているはずなのに、すぐ時間が足りなくなる。クソ丁寧すぎるのか、それとも集中できていないのか。いや、それなりに集中はできている。難産が増えた、難易度が高まっている、ということなのかもしれない。
読書は乗代雄介「旅する練習」(「群像」2020年12月号掲載)をダラダラと読み進めている。ストーリーを楽しむというよりは(その側面もあるのだけれど)、さまざまなミニエピソード、その描写の巧みさや豊かさを楽しむという感じ。