わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

今では考えられないよね

 今日で(戸籍上は)五十三歳になる。本当の誕生日は二十六日、日付が変わってすぐなのだが、当時はこうした誕生日操作が医師と話しあって頻繁に行われていたとかいないとか。おそらく、カラダの一部が出てきたのは二十五日だったからなのだろう。今では考えられないよね。ま、自分では二十五日のつもりでいる。

 仕事。午前中は経理、銀行での事務処理など。猛暑の陽射しのもと、ほぼ日陰のない駅までの直線の道がどんどん体力を奪うのだが、それでもやはり歩くのは楽しい。午前中の雲は薄くたなびく様子が春のようで、不思議な気分になった。

 午後は妻と猫ゴハン、自分たちのゴハンを買い出し。建物の屋根越しに積乱雲がたくさん見えた。午前中とはまるで異なる空の表情に驚いた。こちらのほうがよほど夏らしいのだが、厚い雲は時に心地よい影をつくり、風も涼やかに吹き出して、春の空の色をした午前中よりもよほど過ごしやすい。季節感がメチャクチャだな、と思いながら、買ってきた荷物をバッグから取り出し、少しエアコンの風に当たってから、仕事を再開した。

 夕食はピーマン肉詰め。誕生日には挽肉料理をつくってもらうことが多い。どうも、ぼくは挽肉好きらしい。

 

 読書は石沢麻依「月の三相」(2022年5月号掲載)。いよいよラストシーン。ベトナムにルーツを持つ女性舞踏家は新月・半月・満月を表現する三つの面をつかって、旧駅に隣接した古いホールで舞を舞うことになる。あと数ページかな。ラストまで幽玄的な美と土着的な文化が入り交じった独特のの世界が、精密な筆致で描かれつづけている。