五時四十分起床。暗い。冷え込みは昨日ほどではないが、やや風が強いように感じる。この季節の風は音が強く、ばたついている。そのばたつきっぷりが、一年の終わりの近づきを感じさせる。ばたつきの原因は、おそらく風に煽られて散る枯れ葉なのだろう。マンションのベランダからでも、そして近所に大木がなくても、風のばたつきだけは感じる。
健診でバリウムを飲んだため水を大量に飲み、それが夜中の頻尿を引き起こし、結局よく眠れなかった。頭が軽くボーッとしているが、まあ睡眠不足だとしてもそれほど問題ではないだろう、といつも通り身支度。だが、眠い事実は変わらない。
白いウンコは無事に出た。
午前中はせっせと掃除。リビングのエアコン、送風口がカビっぽいもので汚れていたので次亜塩素酸でキレイにしたら、鼻水がちょちょ切れてきた。
妻がつくってくれたサンドイッチで昼食。午後は仕事。某案件の、ここ数日読み込みつづけた資料を改めて読みながら、アイデアを不要になった印刷済みコピー用紙の裏側に書き出しつづけた。これ、一番好きな作業かもしれない。いや、コピーを仕上げるときのほうが楽しいかな。いやいや、どっちもかな。
夕食を摂りながら、Eテレ「日曜美術館」を見る。安藤忠雄の、ここ数年のドキュメンタリー。この人の発する言葉には、他の建築のようなアカデミックな難解さがない。でも、深淵だ。作品の、光と影が織りなす独自の世界観、実は非常に無邪気でシンプルな発想から生まれているのかもしれないと思った。
工藤庸子「文学ノート・大江健三郎I 敗戦と小説について 大岡昇平×大江健三郎(4)」(「群像」2022年12月号掲載)。大岡の『レイテ戦記』に対する大岡の賞賛、そして畏敬の念。『レイテ戦記』は大学生の時に読もうとしたものの、その描写が精神的・心理的にエグすぎて途中でやめてしまった記憶がある。きちんと読んだほうがいいのかなあ。