わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

脱走/ウタダちゃんとツマブキくん

ウタダちゃん。

 七時起床。今日も軟禁状態で仕事である。コントロールできぬほどに受注してしまい、自分を追いつめているのはほかならぬ自分自身である。サラリーマン時代は、会社がそのように自分を追いつめていくのが我慢ならなかった。が、独立以降は自業自得というわけである。自分は、責任付きの自由というヤツを、退職金で買ったのだなあと今さらながら考えた。その退職金、八年勤務してたったの七万円である。
 
 十八時、今手掛けている某化粧品メーカーのキャンペーン企画のメドがたってきたので、書斎からの脱走を試みた。たいしたことではない。整骨院にマッサージを受けに行っただけだ。とうに陽は暮れている。今日一日がどんな空模様だったのかがまるでわからない。朝、目覚めたときは東の空がわずかに赤く燃えていた。朝焼けの名残か。よくわからない。わからないままに十一時間が過ぎた計算になる。それまで一度も空を見上げなかった。家の裏の川も、道路も、木々も、鳥も、虫たちも見ていない。見ていたといえば、iMac G5の液晶画面と、Palm Tungsten Cの液晶画面と、新聞と、仕事の資料と、猫ばかりである。
 帰りがけに「リスドオル・ミツ」でバケットなど購入。つづいて「猫の手書店」で、遠藤周作『海と毒薬』、野坂昭如『文壇』、『中上健次選集1 枯木灘|霸王の七日』、阿佐田哲也麻雀放浪記』1〜4。遠藤周作は学生の頃に読んだような気もするが、さっぱり覚えていないので買った。野坂『文壇』は、以前から読みたかった作品。中上のは、当然『枯木灘』は読んでいて好きな作品ではあるのだけれど、「霸王の七日」のほうが読みたくなったので買うことにした。『麻雀放浪記』は、色川武大はちょこちょこ読んでいるのに阿佐田哲也を読んだことがないのはヘンではないか、と思ったので購入。
 
 夜、夕食をとりながら「HEY! HEY! HEY!」を見ていたら、カミサンが「ウタダちゃんは、昔西荻に住んでいたみたいだよ」と教えてくれた。驚く。ぼくは、そのウタダちゃんが『春の雪』の主題歌を歌っているのを聴きながら、「ツマブキくんは、撮影が終わった後に原作を読んで、自分の役が美少年であることを知って『ヤベエ』って思ったんだって」という話を教えてあげた。
 
 色川武大狂人日記』。主人公の勝手な(?)退院、そして圭子との同棲生活(のようなもの)がはじまる。



海と毒薬 (新潮文庫)

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文壇 (文春文庫)

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麻雀放浪記(一) 青春編 (角川文庫)

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麻雀放浪記(二) 風雲編 (角川文庫 緑 459-52)

麻雀放浪記(二) 風雲編 (角川文庫 緑 459-52)

麻雀放浪記(三) 激闘編 (角川文庫 緑 459-53)

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