わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

磯崎憲一郎『電車道』

女が他界した後、廃人同然の虚脱状態となった男は、女の夫である鉄道技師の住まいを訪ねる。彼は妻の死後、鉄道技師の職を辞し、船上生活を送っていた。別人のような容貌になって。 電車道 作者: 磯崎憲一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/02/27 メ…

ピーな朝

五時四十五分起床。寝冷えしたのか、午前中は下痢に悩まされた。ヨーグルトを大量摂取し白湯を何度か飲んだら落ち着いた。昼食は念のため柔らかめに炊いたごはんと梅干しだけにしておいた。 十三時三十分、税理士の事務所へ。事務手続きではなく、某案件のた…

戸田山和久『哲学入門』

第三章「情報」。数学的なモノの考え方から、情報伝達の仕組み、つまり発信側から着信側への意味の伝達の仕組みを把握することで、哲学的な世界認識へとつなげていこうという試み、って理解していいのかな? 情報は言葉だけでは構成されない、という点。それ…

磯崎憲一郎『電車道』

湯治場に逃げた男は、そこで縁あって電灯会社の役員の職を得るが、仕事そっちのけ(?)で、そこで出会った結核療養中のイギリス人女性に夢中になる。まだ結核が不治の病だったころの話だ。男は彼女の回復を願い、あれこれおせっかいを焼くのだが、彼女は男…

ともおはバカだから 

昨夜は夕食後あたりから咽喉の左側に何かがひっかかっているような感覚が延々とつきまとっていた。風邪かも、と思い咽喉飴を舐めてから寝た。これが功を奏したのか、それとも睡眠がよかったのか、朝には感覚がなくなっていた。なんなんだろ。ポリープとかで…

磯崎憲一郎『電車道』

またまた舞台は移り、今度は銀行員の職を辞して衆議院に立候補したものの落選し、そのまま温泉場へ逃げてしまった男のエピソードへ…。 電車道 作者: 磯崎憲一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/02/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (8件) を…

人ごみから人だかりへ

六時起床。霧雨。 八時四十五分、出発。九時四十分ごろ、表参道の某ビル着。宣伝会議のセミナールームで、白土謙二氏を講師に迎えた「課題解決のためのクリエイティブ」をテーマにした無料セミナーを受ける。詳細は会社のほうのブログへ。 十二時過ぎ、青山…

磯崎憲一郎『電車道』

洞窟の男の町に、私鉄の鉄道が敷かれる。しかも、電車用。これが100年も前の話だなんて。 そして時代は微かに進み、日露戦争中の京都。反物屋に丁稚奉公している少年と路面電車の、土地と歴史の片隅にきざまれた悲しい歴史。 電車道 作者: 磯崎憲一郎 出版社…

ずれる季節

六時起床。半ズボンで寝たら膝から下が冷えた。微かな霧雨。ここ数日の空は梅雨時を思わせる。だがどんなに似ていようと、この時期の空にアジサイの花は似合わない。夏の名残と秋の気配にとっては、明らかな異物。梅雨みたいだね、アジサイが咲くかもね、と…

今日の事件簿、そして「友猫100ニャンできるかな?」

ちょっと眠いね事件 ちょっと陽が射したね事件 ちょっと玄関掃除事件 ちょっと遅いねゴミ収集車事件 ちょっと買い出し事件 ちょっと予想より高値事件 ちょっと奮発ワッフル事件 ちょっとウォーキング(ほんとはちょっと走りたいのよ事件) ちょっと忘れられ…

磯崎憲一郎『電車道』

今年初めに、和製『百年の孤独』と話題になったイソケンさんの最新作。家族を捨てて、洞窟のなかで一人で生きることを決めた男、そしてその洞窟の周辺にある養蚕農家の集落の子どもたちの生活を描くところから物語は始まる…。 電車道 作者: 磯崎憲一郎 出版…

後藤明生「イエス=ジャーナリスト論、その他」

最後の未完長編『この人を見よ』の巻末に収録された文学論。おそらく何かの講演、あるいはインタビューが元ネタ。1999年初出らしい。 大半が芥川論。表題にあるイエス=ジャーナリスト論も芥川が言っていたことらしい。後藤明生は太宰より芥川の小説手法が好…

対象としての季節/長靴の男子

五時四十五分起床。篠つく雨。暴れるのではなく、ストイックにまっすぐ、最短距離で降ってくる。規律正しい雨粒の大群が急降下しつづけているようなイメージ、と書くと情緒もクソもない。夏の終わりの雨は、降り方に関わらずさみしいものだというのに。麦次…

起こされつづける

夜中、麦次郎が三度もウンコだのオシッコだので人を叩き起こした。ぼくも都度起きたのだが、カミサンが全部面倒を見てくれたので、今日はひどい寝不足だったらしい。ちょっと申し訳ない。ぼくのほうが短眠体質なのだが。 六時起床。麦次郎は夜中の大騒ぎなど…

後藤明生『この人を見よ』読了

未完の遺作なので読了もへったくれもないわけだが…。 中野重治が知人の祝賀会やら葬式やらにやたらと顔を出していたが、唯一葬式に参加しなかった人がいる、それはなぜか…という議論が中途半端に進んだところで断筆。 文学論小説、あるいは文学史小説という…

バスはタクシーではない。

六時起床。巨大なバス型のタクシーに乗る夢を見た。停留所から乗り込んだのでこれはタクシーではなくてバスであるはずだが、夢の中ではタクシーと信じ込んでいる。ただそれだけの夢なのに、なぜか気になって仕方がない。今夜、逆の夢を見るかもしれないと思…

後藤明生『この人を見よ』

中野重治は芥川龍之介を軽視していた? うーむ…。 この人を見よ 作者: 後藤明生 出版社/メーカー: 幻戯書房 発売日: 2012/07/25 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (16件) を見る 後藤明生の作品はこちら。Kindleでどんどん旧…

戸田山和久『哲学入門』

第3章「情報」。コミュニケーション/通信という視点から、情報とは何かを探っている。その考え方/手法がユニーク。情報理論を、情報の持つ意味(伝達すべき内容ってことだね)をバッサリと切り捨ててその量のみに着目し、数学として数式化したうえで論じる…

それでも夏はだらだらとつづく

六時十五分起床。曇天。秋の涼しさ。 午前中は掃除を済ませてからウォーキングへ。昨日よりやや短い6.9kmを1時間で。朝の涼しさのつづくことを期待していたのだがそうはならず、真夏の強い陽射しこそないものの、真夏なみの汗のかき方に辟易しつつ歩いた。昨…

戸田山和久『哲学入門』

第2章「機能」。意味、目的、そして機能は、実は似ているという考え方からスタート。なるほど、確かに缶切りという言葉の意味は「カンヅメを開けるための道具」だそ、缶切りの目的は「カンヅメを開けること」、そしてカンヅメの機能も「カンヅメを開けるこ…

後藤明生『この人を見よ』

架空シンポジウムは、中野重治と共産党の話から抜け出せないまま。よく知らなかったが、中野って戦前も戦後も、何度も共産党員になったり離党させられたりを繰り返しているんだね。 この人を見よ 作者: 後藤明生 出版社/メーカー: 幻戯書房 発売日: 2012/07/…

引きずる夏

六時三十分起床。揺り戻されたような暑さだが殺人的な激しさは感じられず、明け方だけ、あるいは日が暮れてから、微かに聞こえる秋の虫たちの声に、多少は安堵させられる。素麺だの冷やしうどんだの、と夏らし過ぎる食べ物を口にするのが多少はばかられるよ…

今日の事件簿

猫のごはんは午前四時事件 ぼくは加速する事件 そうめんたべたい事件 雨の弁財天事件 あの人たちは傘がない事件 本物の梅干しはどこにある事件 だからエスニックはやめられない事件 マダムなパンはスッカラカン寸前事件 気まぐれな好き嫌い事件 期待以上の酸…

後藤明生『この人を見よ』

谷崎の『鍵』における三角関係の話に戻るかと思いきや、はじめて描かれたシンポジウムの聴衆たちのヤジで、またもや迷走をはじめてしまう…。なんでチャーリー浜の「あーりませんか」が出てくるねん。 内容を意図的に混乱させたり暴走させたり、という手法は…

仕事以外、何をしたかをほとんど覚えていないおぼろげな一日

六時にきちんと起床。雨。麦次郎に朝ゴハンを何度も催促された。ぷちぷちは換羽がほぼ終わり、顔と頭がツツンポだらけでブチャくなっている。 比較的ヒマなはずなのだが、どういうわけか、朝から日が暮れるまで、仕事でビッシリ。延々とデスクに張り付いて企…

後藤明生『この人を見よ』

太宰と芥川は当時としては珍しく顔で売っていたという話から写真、そしてカメラの話となり、永井荷風はエロ写真を撮るために超高価なカメラを持っていただのというおかしな(でも興味深い)話になり、谷崎も高級カメラのユーザーだったという話へとつながり…

狂いと狂い

寝坊。五時四十五分に目覚め、アラームの設定は六時、もう少し眠れるな、と思ったら六時半になっていた。通勤しているわけでも朝イチのアポがあるわけでもないから焦る必要はない。生活のリズムが三十分ばかりずれるだけなのだが、どういうわけか、調子が狂…

後藤明生『この人を見よ』

ウンコ・オシッコの話は一瞬で終わり、今度は志賀直哉・小林秀雄ホモホモ説。そして作家たちを顔だけで語ってみたり。志賀直哉と三島由紀夫は、確かにクドい。暑苦しい。 この人を見よ 作者: 後藤明生 出版社/メーカー: 幻戯書房 発売日: 2012/07/25 メディ…

秋を通り越して

六時起床。ゴミ捨てに外へ出ると、霞んだ青空に、横へ横へと細く白く延びる雲が幾筋も浮かび、静かに風に流されていた。盛夏という言葉がおよそ似合わぬ空。一瞬だけ秋が紛れ込んだような。秋めいてくれば麦次郎の寝る場所も変わり、廊下からリビングに戻る…

後藤明生『この人を見よ』

今度は志賀直哉コキオロシのウンコ・オシッコ話になってしまった…。 この人を見よ 作者: 後藤明生 出版社/メーカー: 幻戯書房 発売日: 2012/07/25 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (16件) を見る 後藤明生の作品はこちら。K…