わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

中上健次『異族』

ミス・パクを殺害し右翼の大物・槙野原に匿ってもらっていた在日二世のシムは、槙野原の命令で麻薬取引をやらされる。台湾人だという売人との会話の中で、シムは戦中日本の軍国主義・帝国主義や大東亜共栄圏といった右翼的なるものをあれやこれやと考えはじ…

無駄な焦燥/咬み咬まれ

五時五十五分、朦朧と起床。ここ数日、睡眠欲ばかり高まっている。要するに眠い。 カミサンは健康診断のため早朝から病院へ。ぼくは仕事。集中して作業していると、あっという間に時間が過ぎる。もちろんそれだけの前進はある。そこに満足感を見いだせればよ…

今日の事件簿

朝の血圧習慣事件 やっぱり満員事件 たまごかけごはんの日にオムライス事件 ドリンクバーねばり事件 なんかあっさり事件 やっぱり集中事件

血圧計を買った。

コレです。かかりつけ医いわく「パナソニックかオムロンがおすすめ。手首で計測するタイプよりも上腕を締めるタイプのほうが正確。中国製はできる限り避けて」とのこと。中国製と言ったのはノンブランド的なメーカーのことだと思う。信頼性の問題だろう。 で…

保坂和志「未明の闘争」(37)

「群像」11月号掲載。唐突な宇宙論。ま、唐突の連続なんですけどね、この作品は。群像 2012年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/10/06メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (18件) を見る保坂和志の作品はこちら。

じわじわと

六時起床。晴。昨日ほど冬には近くない。 慌ただしく午前中を過ごし、午後は打ち合わせのため外出へ。長丁場を覚悟していたがあっさりと三十分で終わってしまい、拍子抜けした感覚で帰宅。 夕方、喘息の定期検診。問題なし。しかし血圧がじわじわと高くなり…

中沢新一『野生の科学』

宗教と哲学のトポロジー。宗教を一神教・多神教・アニミズムと分けてトポロジー的視点から捉え直す試みに、ハッとさせられた。おもしろいなあ。野生の科学作者: 中沢新一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/08/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回…

大江健三郎「晩年様式集」(10)

自虐的な自己批判的な展開から、自作の、そして自身が抱えていた塙吾良(≒伊丹十三)との関係、反原発/反核といった問題の総決算へとなだれこみそうな流れができつつある。やはり本作が最後の小説、なのだろうか……。群像 2012年 11月号 [雑誌]出版社/メーカ…

地味な日曜日

六時三十五分、花子のスピースピーという鼻息寝息を聞きながら起床。雨。弱い雨が時折かすかに強まるのが締め切った窓越しにもわかる。肌寒い。 身支度、動物の世話、掃除を済ませ、仕事。金曜の取材をもとにコピーを書く。 やきそばで昼食。食後も仕事。 夕…

大江健三郎「晩年様式集」(10)

自虐と家族ゲンカ。うーん、そう読めてしまうんだよなあ……。虚構世界と作品世界が別々になっていて奇妙な接し方をしている作品構造がすごくおもしろい。群像 2012年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/10/06メディア: 雑誌 クリック: 1回こ…

中沢新一『野生の科学』

第5章は河合隼雄の思想をフックにした、臨床心理学のトポロジー。宗教や曼荼羅にまでトポロジーが切り込んでいく。いやあ、おもしろい。そして大学時代にトポロジーを少しだけだったけど勉強しておいてよかった。野生の科学作者: 中沢新一出版社/メーカー: …

あなたがここにいてほしい、を消火活動する猫

六時四十分起床。花子が一晩中枕元にいた。騒がれなかった。 身支度を済ませ、ランニングへ。善福寺池周辺はすっかり秋模様。木々は黄色く染まりはじめ、少しずつ色の浅い葉をはらはらと落としている。キンモクセイの香りはすっかり消え、路面にはオレンジ色…

今日の事件簿

無理やり何とか事件 ハヤシライス3杯事件 はじめてのつくばエクスプレス事件 ポイントバンバン事件 奥様はヨガ事件 壁掛け事件 珈琲ごちそう事件 三鷹行き曝睡事件

村田喜代子「屋根屋」(4)

「群像」11月号掲載。主人公は、屋根屋との現実世界での、そして夢のなかでの交流を繰り返す。群像 2012年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/10/06メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (18件) を見る村田喜代子の作品はコチ…

繰り返し

六時起床。なぜかいつもより朝の段取りが早い。曇天。 朝イチである程度作業してから、銀行へ。月末事務処理、第一弾。銀行、不思議なことにさほど混雑していない。なぜだろう。郵便局にも寄り、切手を大量購入。全部記念切手にした。 午後は書斎にこもって…

長野まゆみ「×(閉じる)」

「群像」11月号掲載の連作短篇。しまった、先月号は読み忘れてる、と思いながら読んだ。 現代風な演出が得意な葬儀屋に勤め、その葬儀屋の女性経営者と結婚してしまった記憶喪失の男の、記憶と人生の整理。女性経営者にわなにはめられることで、男は一歩前へ…

あまちゃんの風

意外に目覚めがよかったのは、昨夜は日付が変わる前に(たとえ一分を切っていようと、日付が変わる前であることに変わりはない)布団に潜り込むことができたからか、それとも猫にさほど(一度も、ではない)起こされることなく熟睡できたからか。トイレには…

中沢新一『野生の科学』

価値交換による経済と、価値交換を超えた経済。貨幣を媒介する経済と、与えられることや生じることによって成り立つ経済。現代の経済学が見失っている後者の経済についてを、トポロジー的な視点から見事に抉り出している。アクロバティックなようでいて非常…

しっとり冷たくのしかかる

一雨降ったようだが部屋のなかの湿度はそう変わっていない。むしろ、外のほうが強い湿気を感じる。朝の空気がしっとりと冷たくのしかかる。六時起床。 雨は降ったり止んだり、強まったり弱まったりを不規則に繰り返している。時折晴れ間がのぞく。狐の嫁入り…

古谷利裕「セザンヌの犬」読了

わたしとあなたが、(そしてセザンヌが)幾重にも重なり合い、いつしか作品世界は幻想の迷路に迷いこむ。自己の拡散、主体の混濁。しかしその向こう側に、何かがある。それが何なのかはよくわからない。わかる必要もない気がする。群像 2012年 11月号 [雑誌]…

硬い月

油断しているといつまでも寝つづけるが油断していないからいつもどおりの時間に起きる。六時。 比較的ゆるやかな一日。午前中は資料を整理したり、事務処理したり。 午後は中野で打ち合わせをしてから新宿へ。東急ハンズでねじを購入。引き出しの取っ手を修…

adidas Boston 3

軽量さとホールド感とのバランスがよく、クッション性も高いので10km程度を1時間程度かけて走るぼくのようなランナーに最適だった傑作ランニングシューズ「Boston 2」の後継モデル。耐久性とクッション性が向上しているらしい。到着が楽しみ。[アディダス] a…

古谷利裕「セザンヌの犬」

「群像」11月号掲載。作者は画家・評論家。ある老画家の日常。セザンヌがよく題材にしていたリンゴやオレンジが登場。ふーむ……。群像 2012年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/10/06メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (18…

納豆の香り

六時三十分起床。ふわっとした秋晴れ。身支度と動物の世話を住ませ、ランニングへ。涼やかな風が、秋晴れの空が、と走り出す直前までは考えるが、一歩走り出すとそんなことは考えなくなる。もっとも走りに集中しているというわけではなく、視線は道路とその…

日和聡子「行方」

「群像」11月号掲載。この作家、全然知らないけど何となく書き出しに引きつけられて読んでしまった。現代詩みたいな表現で、孤独と死について書いた……のだろうか。群像 2012年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/10/06メディア: 雑誌 クリッ…

中沢新一『野生の科学』

暇を見ては数ページずつちまっちまと読んでいたのだが、今日はある程度一気に読めた。性の表出とファッション文化、子宮と縄文土器、そして神話と市場経済のトポロジー的な関係。数学的な視点から形而下の世界を分析し、今まで見えていなかった部分に焦点を…

新蕎麦の欲求

六時半に目覚ましが鳴ったのは覚えているが目が覚めたのは七時なのだから二度寝したということなのだろうけれど二度寝したという自覚はまるでなく覚えていることと言えば蕎麦屋の夢を見たというだけで、そろそろ新蕎麦を食べなければ、と使命感のような奇妙…

今日の事件簿

世界がゆがむ事件 次第に直る事件 加齢ですよ事件 パンをむさぼり食う事件 ブックオフ1600円事件 寝ちゃった事件 WELEDAの入浴剤は気持ちよすぎて困る事件 [rakuten:cosmemoon:10005960:detail] [rakuten:joycosme:10014728:detail] ヴェレダ カレンドラ ベ…

小野正嗣「獅子渡り鼻」読了

母の記憶に残っているはずの、町の情景に、尊は、愛と嫌悪の両方を、そして絶望と希望の両方を、無意識のうちに見出しているようだ。意識は過去に引き摺られる。だが彼は、確実に未来へと進みはじめている。多くの他人たちに助けられながら、たった二人の身…

ゆがむ世界

六時起床。 新聞を取りに外へ出る。雨が降っているが、決して雨足は強くはない。少なくとも水鳥たちは雨をまったく苦にしていない。年中このあたりにいるカルガモやつい最近遠い国から渡ってきたばかりのオナガガモたちは、平然と、という感情が彼らにあるか…