2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧
「雪明かり」読了。父の痴呆、その父の面倒を見てくれる本家の従姉、その従姉との秘めた恋、本家への雪の季節の訪問、といった過去の記憶が、自分が老い、定年退職となった日の雨の景色と重なり合う。
朝から風の強い日。午後、必要になったパソコンの周辺機器を買おうと、突風の中苦労して自転車をこぎ青梅街道沿いの「コジマ」に行ったが、棚卸しで午後は休業だった。期末だからというのはわかるが、なぜ金曜日の午後に店を閉めるんだ。持病の痔の薬をもら…
「林の声」読了。見知らぬ老人を三度も助けた河合は、それが縁で女と知り合い、入籍する。だが、その後に待っていたのは実父の痴呆という現実だった。だが、それとほぼ同時に妻は妊娠する。老いの悲しみに、誕生の喜びが交差する。
七時起床。天気予報では最高気温は九度と報じている。寒の戻りか。可燃ごみを出しに外へ出てみるが、さほど寒さは感じない。このまま暖かくなることなく一日が終るということか。風はあるようだ。強めといってもいい。だが冷たくはない。九時三十分、訝りな…
六時五十分起床。どんな作品だったろうか、ほとんど忘れてしまったのだが、昔読んだマンガにこんな話があった。重力を人工的に発生させる装置がある。急激にGがかかったために主人公たちが床に貼り付いてしまい、そのまま圧死しそうになるというシーンがあっ…
六時四十五分起床。夕べの頭痛はかなり治まっている。風邪かもしれぬ。用心に、と市販の風邪薬を飲んで仕事。 十七時、水道橋のE社へ。中央線から見える市ケ谷のお堀の桜並木がなぜか今年は貧弱に見える。まだ十分に開いていないのか、それとも和田堀公園の…
七時起床。午前中は小石川で打ち合わせ。資料満載のバッグを抱えて歩くと汗ばむほどの陽気。桜がちらほらと。 午後からは某生命保険会社キャンペーンなど。 頭痛がひどいので、夜は早めに床につくことに。
「暖かい髭」読了。六十六歳になってから庚申堂と呼ばれるお堂に籠って眠るという奇行を繰り返す父親を迎えに行く次男、樋内。眠る父と会話する樋内。親子の絆とは、いや絆という言葉ははばかれる、単純に「関係」とするべきか、ともかくその「関係」、親子…
八時起床。近ごろは、目覚めるころの、夜のうちに冷えた部屋の空気のよそよそしさを感じることが少なくなってきた。不自然な暖気をあたりに感じて、ふとそれが布団にくるまれて眠っていた自分と、その傍らで眠っていた花子が発した体熱なのだと気づく。体熱…
高橋葉介の作品は中学生のときから大好きだった。この作品は、氏のライフワークである「夢幻紳士」の最新版。これまでの高橋作品にはなかった構成の緻密さを感じた。ちなみに、主人公の夢幻魔実也は三人いる。昭和・戦前の日本で猟奇事件や超自然事件を解決…
南口を出て、線路沿いをまっすぐ。道路の右側。以前は本格手作りハンバーガーがメインだったのだが、最近は幅広くいろいろ愉しめるカフェに路線変更しているようだ。文鳥のモカちゃんが看板鳥(保健所ウンヌンを指摘するってのは無粋ってことで)。ハンバー…
朝、気づけば花子がいない。どうやらクローゼットの奥で寝ているようだ。猫は狭くて暗いところが好きな生き物だ。だから我が家では、クローゼットや押し入れの扉はいつも開けたままになっている。 八時起床。午前中は掃除。午後から吉祥寺で買い物。帰宅前に…
「草原」読了。終電を逃した主人公が駅で見かけた中年の男性。思わず憎むような視線を送ったその相手は、その後知り合い男女の仲となった四歳年上の女の、自殺した亭主であるらしかった……と書くと、なんだか昼メロみたいだな。男女関係の辻に、運命の辻が重…
浦沢直樹・手塚治虫『プルートゥ』3。浦沢作品は高校生くらいから読みつづけている。『MASTERキートン』が一番好きかな。『MONSTER』はちょっとくどさを感じた。
七時起床。日課のゴミ出しのためにジャージとサンダルで外に出て、思いがけぬ寒さに身を縮めた。風は北西からか。真冬の厳しい鋭利さこそないが、面でおしよせる春の突風のようだというのに冷たく感じる。三寒四温。今日は三寒の極みにあたるということか。…
「受胎」読了。男女の出会いと別れの辻。生と死の辻。うーん、この作品はよくわかんなかったなあ。
六時三十分、目覚ましが鳴るまえに起床。花子が腕の上にダイビングしてきたからだ。 夕べ降りはじめた雨はもう止んでいる。雨上がりの空だけを見ると、今が何月なのか、いつの季節なのかがたちまちわからなくなる。 午前中は事務処理。午後からは某団体パン…
小島信夫・保坂和志『小説修業』。新聞の書評を読んで興味をもった。老作家と中堅実力派の、文学についての往復書簡。小説修業作者: 小島信夫,保坂和志出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2001/09メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (21件…
コミさんは何を書きたかったのだろう。父の伝記か、宗教論か。違う。論理や常識、感動、批判、協調、不和、そんなものを超越した、信仰という行為がもつエネルギーそのものを、父の生き様を通じて表現したかったのではないか。いや、表現という言葉も違う。…
「受胎」。男女の交わりも、辻のようなものか。
スネ毛以外の体毛は薄いほうなのだが、胸毛が突然ぼうぼうになってしまった夢を見た。実際は長い夢の一部で胸毛ぼうぼうになったのだが、どんな脈絡でそうなったのかがわからない。大型トラックを運転していた気もするし、卒業式の準備をしていた気もする。…
喫茶店。北口の洋品店「西荻にしよ!」とパチンコ店(だったかな)の間の道(「ひごもんず」があるところ)をずっと北に向かって二分くらい歩いて、左側。西荻の顔とも言える名喫茶「どんぐり舎」の隣だからつい存在を忘れがちだが、こちらも根強いファンが…
名前からすると、かつては絹糸か何かの工場だったか。大きな蔵を改装して、一階が野菜中心のレストラン、二階がギャラリーになっている。歴史を感じさせる内装は土のニオイの感じる野菜とよく合う。ランチプレート1000円。五穀米は噛めば噛むほどほんのり甘…
八時起床。春分の日。昼と夜の時間が等しくなる日、とテレビで丁寧に説明していた。彼岸の中日でもある。これを過ぎれば、寒さもほとんど感じなくなるという。が、桜の花見は春めいた陽気にうまくあたるか、寒の戻りに苦しめられるかの賭けになりがちだ。ま…
「青空文庫」でダウンロードしたものを、愛用のPDA、Tungsten Cで読んでいる。表示するソフトは「POOK」というものを使っている。国産のクリエでなら縦書き表示ができたのだが、ぼくの今の環境では縦書きは字間が妙に開きすぎて実用的でないのが残念だ。この…
「割符」読了。辻にさしかかった者が、割符を分け合う。もう半分が、自分の知らぬところへ渡る。辻で別れた片割れの割符は独り歩きし、知らぬ間に、自分が自分以外のものにさせられてしまっている。
「役」読了。いつしか話は昔の日本の、肺病を患ったものを隔離する村の様子へ。現代の疫と過去の疫とが交差する。そして、患ったものとその原因となるものも交差する。 「割符」を読みはじめる。