わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

古井由吉『山躁賦』読了

まったくもって不思議な作品。中上の『千年の愉楽』と対比させると面白く読み解けるかもしれない。 ●古典回帰、などと言いながらも、実は古典を踏みつけにしてその向こう側にある古典を切るという、アムロ・レイのジェットストリームアタック破りのようなこ…

King Crimson「Lark's Tongues in Aspic 太陽と戦慄」

クリムゾン買い直しCD。音楽的完成度で言えば「宮殿」なのだが、それと十分対抗できる内容の作品。もっとも、聞き手を相当に選ぶ。クリムゾンの歴史は、デビュー直後に最高傑作を生み出してしまったバンドの、さらなる最高傑作を生み出すための四苦八苦の歴…

入れるべきか、出すべきか

今朝も花子に小一時間騒がれた。なぜつづいているのだろう。もう一ヶ月も付けつづけているエリザベスカラーへの煩わしさがそうさせているのか、それともただの気紛れか。 夕食の時間が近づくとたちまちそわそわしはじめ、フンフンと小さく刻むように鳴きなが…

「音がよくなりましたよね、私はびっくりしました」

六時五十分起床。空の色は重く空気は湿っているが、冷たくはない。身体にまとわりつくような、粘り気のある暖かさを感じる。晩秋には、そして初冬にもあまり似つかわしくない。 午前中は先日の取材のテープ起こし。昨日吉祥寺で購入したデノンのヘッドホン、…

Keith Jarrett Trio「Standars Live」「Changeless」

前者はタイトル通りジャズ・スタンダードのライブ。後者もライブだが、オリジナル、あるいは即興だと思う。後者を軽く聴いたが、なかなか重厚感のある演奏。Trioの中ではかなり気に入っている「Inside Out」よりも重たく、どちらかといえばKeithの80'sソロ即…

古井由吉『山躁賦』

「まなく ときなく」読了。いかめ房との夢想の対話。いや、いかめ房の霊との対話、あるいは時を超えた対話と捉えるべきか。 「帰る小道の」。すっごくテクニカルな文章。焦点移動の技の鮮やかさ、見習うべきものがある。もっとも、広告のボディコピーでこん…

深夜のバカ騒ぎ

三時、深夜の闇の中で花子に大騒ぎされる。理由はわからない。腹が減ったということか。しぶしぶ、いつもより一時間以上早くゴハンを与えるが、騒ぐ花子の気配に気づいたか、麦次郎も起きて、ナアンナアンとシャム特有のでかい声を張り上げて鳴きつづけた。…

キヤノンさんが来ているときは

キヤノンさんが来ているときは、花子はアトリエで待機。午後は寝ていることが多いので、大騒ぎになることはない。麦次郎はリビング。たいてい押し入れに引き篭もるのだが、どういうわけか今日は突然目を覚まし、ナアンナアンと鳴き叫んでいた。写真は、夜に…

古井由吉『山躁賦』

「まなく ときなく」。狂気とは、自らそこに陥るのではなく、すぐそばに、例えば隣の部屋にある寝台の上に、あることに気づくことことである……本作を読んでいると、そんなことを考えてしまう。

時雨

六時五十分起床。小雨が降っているようだ。この季節の雨だ、時雨と呼ぶべきか。降るというよりは舞い散っているといったほうが正しい。雨滴が体温のようなぬくもりを含んでいるのか、冬の雨の辛辣な冷たさはない。 先日仕上げた仕事が、拡大して戻ってきた。…

留守でしたから

花子、夕方大騒ぎをしたらしい。今はコピー機の上でふにゃふにゃ鳴いている。 麦次郎はずっと寝ていたようだ。 ぷちぷちは、ぼくが帰ってくるや否やハイテンションに。おかげで「のだめ」の台詞が聞き取れない。

古井由吉『山躁賦』

「鯖穢れる道に」読了。叡山は異界か。それともホトトギスの鳴き声がそこを異界へと変えるのか。

靄か霞かそれとも雲か

六時二十分起床。まだ寝ていたい、と布団の中に潜りつづける花子を放置し身支度をはじめる。横殴りの雨。だがよく目を凝らせば雨滴は細かく、殴るというよりは流れるといった具合に、横へ横へとそれてゆく。 七時三十分、荻窪駅へ。東京駅でH社のP氏、デザイ…

花子、へいちゃら。

花子、昨日の炎症がウソみたいに引いている。不思議だ。 麦次郎は留守中、押し入れでずっと寝ていたらしい。 ぷちは説明不要。

松竹大歌舞伎(三鷹市公会堂)

生まれてはじめての歌舞伎観劇である。 通常、歌舞伎は東京なら歌舞伎座か国立劇場、と限られた劇場でしか観ることができない。しかし、ラマンチャ師匠こと松本幸四郎、沖縄に住む女性からいただいた一通の手紙がきっかけで歌舞伎をより多くのひとにという使…

ラマンチャ師匠

花子に起こされることなく、九時まで寝ることができた。 曇天。午後からは雨かもしれないという。吹く風に雨の気配はない。掃除、アイロンがけ。 午後より外出。西荻の「西友」でパジャマを買ってから三鷹へ。三鷹市公会堂で開かれた「松竹大歌舞伎」を観る…

古井由吉『山躁賦』

「肱笠の 肱笠の」読了。川俣軍司事件を材に、ホトトギスの鳴き声、初夏に病で倒れた叡山の寺をうまくクロスさせ、夢うつつの世界に混ぜ込むことで、狂気の日常性を巧みに表現している。

和風・白味噌の根菜ホワイトシチュー

市販のルーに、白味噌を日本酒で溶いたものを入れてもできると思う。 鶏肉はバターで炒めておく。 レンコン、ゴボウ、ニンジンもいっしょに炒める。 お好みでブナシメジとかキノコ類も入れちゃう。 出汁1000ccくらいを鍋に投入。強火で煮込んでアク取り。取…

石川淳『焼け跡のイエス|善財』

ずーっと前から探していた作品、ついに文庫化。いやあ、うれしいです。図書館に行けば文学全集に収録されているのだが、どうしても借りる気になれないんだよなあ。焼跡のイエス・善財 (講談社文芸文庫)作者: 石川淳出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/1…

King Crimson「濃縮キング・クリムゾン」

69年の「In the Court of the Crimson King」から、03年の最新作「Power to Believe」までの代表曲をCD2枚組、収録時間限界までパッツンパッツンに収めたベスト盤。またまたリマスターしているようだが、どこがどう変わっているのやら。昨日「タモリ倶楽部」…

花子、また腫らす

花子。かなり恢復が順調。昨日はほとんど患部をかゆがらなかった。気になるのは耳の炎症だが、これが治るのは時間の問題だろう、そう判断しエリザベスカラーを外すと、また力いっぱい目の上を掻いてしまった。慌ててカラーを戻す。もう、年内いっぱいはつけ…

慌ただしい休日

休日だ。急な案件のラッシュで完全休養が危ぶまれていたが、なんとか回避できた。ならばせいぜい朝寝を楽しみ、昼寝を楽しみ、夜更かしを楽しむのもいいだろう。せめて九時までは寝ていよう。昨夜はそんなことを思いつつ床についたが、結局のところ曜日感覚…

古井由吉『山躁賦』

「花見る人に」読了。山腹なのか山頂なのか、高い場所にある「花の寺」と呼ばれる場所を訪れる主人公。桜は冬枯れし、枝だけが四方八方に広がる様を眺めるうちに、彼はいつしか中世の歌詠みのころか、古き時代の花盛りのころを夢想しはじめる、いや、幻覚を…

ぷちぷち診察日記

肝臓の疾患らしき症状、大きな問題ではないらしいのだが漢方薬の投薬はさらにつづけることに。近ごろ甚だしい体重増加は、あまり気にしなくてもいいようだ。カミサン、ハイテンションぶりについても相談したのだが、それは仕方ないようだ。うれしくてたまら…

金と墨

六時四十五分起床。今朝も冷え込みは厳しかったようだ。窓も玄関も、結露にすっかり覆われている。新聞を取りに外まで出る。東の空が、雲の薄いところは金色に、厚いところは墨色に、と明確な濃淡、コントラストという言葉は使いたくないのだがはっきりとし…

うるせえ

花子、午前中はまったく落ち着かず。鳴き声が、いつもより上ずっている。ところが午後は一転、深い眠りに落ちたのか、身動きもせず、ただただ小さな寝息を立てつづけている。日記を書いている今は、またそわそわとしはじめている。ぼくの顔を見つめては、ふ…

Keith Jarrett Quartet「My Song」

東高円寺のブックオフで、(たぶん)新古品が安く出ていたので買ってしまった。図書館で予約していたのだが、1ヶ月経っても貸し出しされない。しびれを切らしてしまったというのも購入した理由。My Songアーティスト: Keith Jarrett出版社/メーカー: Ecm Rec…

最後の夜

六時五十分起床。さっさと身支度して仕事をせねば、とは思うものの、身体が起きることを拒否しているのは、今日が勤労感謝の日で、休みだというのに、しかも勤労する者は感謝されてしかるべきな日なのに、働かなければいけないからか。誰かから感謝されたい…

砂散る

花子、夕方に目を離した隙に大量に大便。念入りに砂を掻き、それが書斎中に散らばってしまった。夜は退屈なのかわがまま言いたいだけなのか、にゃんにゃんにゃんと鳴き散らかし、部屋中を走り回っていた。カミサンが来たら膝の上で大人しくなった。姿勢がち…

古井由吉『山躁賦』

「静こころなく」読了。旅先で、ふわりと妄想が飛び込んでくる。そうか、こういう狂い方もあるよなあ。 「花見る人に」。在原業平の時代を材にした書き出し。はて、どうなるのか。