わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

磯崎憲一郎『電車道』

 湯治場に逃げた男は、そこで縁あって電灯会社の役員の職を得るが、仕事そっちのけ(?)で、そこで出会った結核療養中のイギリス人女性に夢中になる。まだ結核が不治の病だったころの話だ。男は彼女の回復を願い、あれこれおせっかいを焼くのだが、彼女は男が東京への出張後、東海道線の事故で五時間ほど車両に閉じこめられている間に…。

 過剰に文学的になることのない、飾らなくて統制された几帳面な文章で、几帳面に、そして淡々と、男の行動が描かれている。

電車道

電車道

 

 

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