第2章「機能」。意味、目的、そして機能は、実は似ているという考え方からスタート。なるほど、確かに缶切りという言葉の意味は「カンヅメを開けるための道具」だそ、缶切りの目的は「カンヅメを開けること」、そしてカンヅメの機能も「カンヅメを開けること」。ここで著者は、ミリカンの機能論「起源論的説明」を紹介し、その概要として「機能概念の理論的定義」について説明する。機能の必要十分条件や日常的な概念、モノ同士の因果関係における機能ではなく、ことがらそのものとしての機能、理論の目的のために新しい概念をつくる(というか、発見し、アップデートしつづける)ことで機能を定義づけていく(定義しつづけていく?)、ということのようだ。
ことがらそのものの終わりなき定義づけ、みたいなことになると唯物論的なアプローチだなあとは思えるのだけれど、モノ自体の本来の機能を定義づけるという考え方自体が、結局はプラトニズム、ロゴス中心主義から抜け出せていないんじゃないのかなあ、なんて考えてみたり…。
科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)
- 作者: 戸田山和久
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2005/01
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