「群像」2020年5月号掲載。ジョン・ロックの『統治二論』に記された《所有〔権〕論》を、言葉の意味や定義を、英語の原文まで引用しながら丁寧に紐解いている。ロックの原文では、「所有(Property)」という概念は明確に定義化されているわけではなく、章ごとに微妙に表現や説明が変わっていることから、常に意味がゆらいでいる部分があるように思える(ロックの著作は読んだことないけど)。それでも、Personをはじめとする一部の用語については確固たるものがあるようにも思える。それでも、前置詞の意味の捉え方が変わると意味が変わってしまったり、といったことは起こっているようなのだけれど。評論としても、言語学的なテキストとしても面白い。
▼まだ5月号を読み終えていないのだが、7日には6月号が出ちゃう。
▼ロックの『統治二論』は岩波から出ていた。
→ジョン・ロックの作品はこちら。一冊くらい、読んでおくべきか……。