わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

評論

小田原のどか「不可視の記念碑」

「群像」2020年9月号掲載。特集「戦争への想像力」の評論。 読了。彫刻/芸術と政治や歴史との関連性、もっと端的に言えば彫刻/芸術の政治利用に強い関心を寄せる彫刻家であり、2019年のあいちトリエンナーレ「表現の不自由展」に参加した当事者でもあった…

福尾匠「ポシブル、パサブル ——ある空間とその言葉」

「群像」2020年7月号掲載。読了。空間の美術とも言えるインスタレーションと新型コロナウイルスの関連性についての小論かと思いきや、東浩紀、ドゥルーズ,ハイデガー、ロックなどの思想を借りながら、空間(と隠喩・換喩)についての、存在論やコミュニケー…

「群像」2020年7月号まとめて(保坂和志、小田原のどか、樫村晴香)

群像 2020年 07 月号 [雑誌] 発売日: 2020/06/05 メディア: 雑誌 保坂和志「鉄の胡蝶は夢に記憶に歳月に掘るか(23)」。今回は新型コロナにまつわるエピソード、かと思いきや、最後のあたりでいきなり、まったく別の物語がはじまった。これ、次回につづくの…

五十のおっさん、ワイズでレディースのパンツを買う。

五時四十分起床。晴れ。コジコジが機嫌よくさえずっている。いや、さえずりではなく叫びか。久々の朝日に昂ぶっていることが声の大きさからよくわかる。 午前中は掃除に専念。 午後は妻と吉祥寺へ。きちんと買い物に行くのは三ヶ月ぶりくらいか。まず吉祥寺…

尾崎真理子「ギー兄さんとは誰か 大江健三郎と柳田国男」(3)

「群像」2020年6月号掲載の集中連載評論。ようやく読了。 大江が生み出した「ギー兄さん」というキャラクターの背後に柳田国男の存在があったというだけではなく、実は大江の四国の森の世界観の構築にも柳田は大きな影響を与えている。四国の森は、大江の世…

西荻テイクアウト。一ひねりの工夫と、当然のうまさと。

五時四十分起床。雨。早朝からせっせと仕事。妻は今日が高円寺「猫の額」での個展の最終日。この状況にもかかわらず好評で、来場者数こそ少ないが通販でかなりの方が作品を購入されたとのこと。ありがたい限りだ。 夕方、喘息の通院でクリニックへ。相変わら…

ランナーは人混みを避けると迷子になる

五時五十分起床。朝イチで鳥かごを掃除。セキセイインコのコジコジ、換羽の最中なのでカゴが抜け毛だらけだ。 朝イチで1時間だけ仕事。某案件の資料の読み込み。その後は日曜日なのでオフにした。 温玉納豆そばをつくって昼食。あ、写真を撮ればよかった。 …

下戸夫婦、高円寺の焼きとりを持ち帰る。

六時起床。昨夜のランニングがすこし響いているのか、すっきりと起きられず。マスク代わりのフェイスカバーで顔を覆っての10kmは、通常の10kmより負担が大きいのかもしれない。距離に対する考え方を変える必要があるか。 午前中はせっせと掃除。そして西荻窪…

ビオフェルミンの日

五時三十五分起床。ちょっと腸の調子がよくないようだ。どうしたのか。連休中、一日も休まずせっせと労働していた影響か。それとも、おかしなものでも食べたか。どちらも心当たりがないのだが。 仕事。朝イチで経理処理をしてから銀行へ。ついでに西荻のベー…

鷲田清一「所有について」(3) ロックの問題提示

「群像」2020年5月号掲載。ジョン・ロックの『統治二論』に記された《所有〔権〕論》を、言葉の意味や定義を、英語の原文まで引用しながら丁寧に紐解いている。ロックの原文では、「所有(Property)」という概念は明確に定義化されているわけではなく、章ご…

ジーンズのまま眠った日々

三時頃に目が覚めてしまった。昨夜の地震警報のあのけたたましい音が、九年前の熟睡できない日々を思い出させたか。いつでも避難できるように、と妻もぼくもパジャマではなく、ジーンズにセーターで寝ていた。深夜に二度、三度と起き、その都度状況を、確認…

あの警報音を聞くと、しばらく心がおかしくなる。人も、猫も。

五時四十分起床。雨音。個人的にはすっかり油断して予想していなかった空模様に軽く驚きつつ、身支度。篠突く、という表現ほどではないがそれなりの雨量で、マンションのゴミ集積所までエントランスからはわずか数メートルだが、傘が必要だった。意外にも、…

工藤庸子「大江健三郎と「晩年の仕事」」 第二回『憂い顔の同時』——セルバンテス、ジョイス、古義人

「群像」2020年5月号掲載。とても文体が素敵で大江愛にあふれている工藤庸子氏の連作評論。今回の掲載分30ページ近くあるうちの、まだ5〜6ページしか読めていないのだが…冒頭部の、大江さんの「Rejoice!(喜びを抱け!)」の書き間違えのエピソードがおもし…

別の意味で特別な

五時四十分起床。晴れ。暦のうえでは連休の初日だが、別の意味で特別な期間に突入することになる。毎年この時期は休日返上で仕事していることが多い。今年は例年よりはマイペースに働くことになる。 仕事。某案件の企画書。昨日急遽オーダーされた別案。クラ…

鷲田清一「所有について」(2)所有と固有

「群像」2020年4月号掲載。 「所有」とは帰属のことであり「もつ」とは合致しないという問題から、ヨーロッパ系のさまざまな言語の語源や、名詞・形容詞・副詞などへの変化、意味の派生などから、「所有」とは何かを掘り下げている。property《所有〔権〕》…

18.65kmと桜

六時起床。朝のうちは曇りがちだったがすぐに青空がまさり、葵も窓際で日向ぼっこができるようになった。ここ数日強めだった風は収まり、穏やかだ。 午前中は掃除、アイロンがけ。 午後、妻が友達と閉店予定のカフェに顔を出すといって外出。ちゃっかりリサ…

コロコロと

五時四十分起床。晴れ。昨日は風が吹き荒れたが今日は落ち着いているようだが、気温はたいして変わらないという。明け方は冷えを感じたが、冬に戻ったというほどではない。 仕事。見積やら事務処理やら、打ち合わせの準備やら、と慌ただしく午前中を過ごし、…

尾崎真理子「ギー兄さんとは誰か 大江健三郎と柳田国男」(1)

「群像」2020年4月号掲載の新連載評論。大江の神話的でありながら知的な裏付けのある「谷間」の世界観は、確かに柳田の影響を受けているのかもしれない。『万延元年』やぼくの好きな『懐かしい年への手紙』のギー兄さん、『燃え上がる緑の木』の新しいギー兄…

鷲田清一「所有について」(1)

「群像」2020年3月号からの新連載。文芸誌から「文×論」の方向に大きくリニューアルしたこの雑誌の、ひとつの決意表明のような立場にある連載だと思う。 シェアリングという新しい概念が登場して資本主義の形が少しずつ変わろうとしている一方で、貧富の差は…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」近代篇38 構造と歴史

「群像」2020年3月号掲載。ネーション(国民)という概念は客観的には新しいのにネーション(を構成する人々)たち自身は自らを古くて伝統のある存在にしたがる。なぜ彼らは近代的な思想や生活様式、社会構造などをもった自分たちの起源を、古代的・歴史的な…

掃除と操縦

五時四十分起床。また妙な夢を見た。目覚めてすぐ書いたメモには「古い風呂、マジンガー」とある。古い風呂を掃除していた記憶はあるのだが、マジンガーのほうは思い出せない。操縦でもしていたか、それとも相手として戦ったか。 仕事。某案件の構成案を早々…

回復

こんなに寝たらもうこれ以上眠れない、という限界だったのか。四時には目が覚めてしまったが、その後、結局うとうとしつづけていた。ものすごく古い家に引っ越す夢、そして室井佑月や知らないおっさん、若者たちと謎の合宿をする夢をつづけて見た。 五時三十…

断片と物語

五時四十分起床。曇りがちだが青空も広がっている。 仕事。某美容系案件を黙々と。夕方、ウォーキングを兼ねて整骨院へ。腱鞘炎の治療。痛みはかなりなくなっている。こうしてキーボードを使うことも、鉛筆であれこれ書くこともできる。 夕食は鮭のムニエル…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学(121) 近代篇36 存在論的に未完成な共同体」

「群像」2019年12月号掲載。作者が考えるネーション(近代国家、と捉えていいと思う)の条件が非常に面白く納得できたので、要約してメモしておく。 ネーションとは人々の共同体であるにも関わらず、それ構成するメンバーはほとんどが互いに面識がない。 ネ…

騒々

五時四十分起床。一晩中、騒々しい夢を見つづけていた気がする。物音がうるさいのではなく、周囲が無闇にせわしない。自分のそれなりに慌ただしく動いてはいるのだが、それ以上に周囲が激しく動く。そのめまぐるしさに延々と付き合わされ、いつまでも呆然と…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学(121) 近代篇36 存在論的に未完成な共同体」

「群像」2019年12月号掲載。シニフィアン/シニフィエと、資本主義における重要なファクターである(らしい)「注意」の関係。この一文が、すべてを言い表してしまっている。 資本主義は、消費者の欲望をある商品へと集中させ、しばらく後に、注意を別の商品…

佐々木敦「全体論と有限」(13)

「群像」2019年12月号掲載。「第四章 新たなるホーリズム(承前)」。後半はホワイトヘッドの『過程と実在』を軸にして展開されるのだが、ホワイトヘッドのことは知らなかった。そして、『過程と実在』のまー難しいこと。かなりの量が引用されているが、ほぼ…

工藤庸子「ドン・キホーテからロリータへ ——大江健三郎と「晩年の仕事」」

「群像」2019年11月号掲載。相変わらずあまり読み進めではいないのだが……。「おかしな二人組」の文学的(再読的?)観点からの分析、非常に面白い。当然だが、自分はここまで深く読めていなかったからなあ。2000年以降の大江の仕事の再読、面白そうだ。 群像…

工藤庸子「ドン・キホーテからロリータへ ——大江健三郎と「晩年の仕事」」

「群像」2019年11月号掲載。あまり読み進んではいないのだが……。大江の後期作品のキーともなる(と名言されているわけではないけど…)バルトの「re-reading」「relecture」という概念、ちょっと気になる。大学生のころから一度解説書ではなくオリジナルを(…

工藤庸子「ドン・キホーテからロリータへ ——大江健三郎と「晩年の仕事」」

「群像」2019年11月号掲載。大江健三郎のノーベル文学賞受賞後、特に2000年代ということになるのかな、の作品論。『おかしな二人組』『美しいアナベル・リイ』『水死』といった作品から、今のところ最新作であり大江自身は最後の小説と言っている『晩年小説…