発売当初、すぐに十数ページを読んだのだがエッセイということもあってそのままにしてしまい、今になってようやく読む気になった。実際には、エッセイではなく講演会(たぶん)の内容を書籍化したもの。ひとまず二章目のはじめのあたりまで読んだ。
大まかに言えば、古井由吉の自伝、と言えなくもないのだが、そこに時代の変化や、あるいは変化せざるものについて、歴史について、社会について、そして男と女の色気について、の考察が、複雑に入り乱れる。いや、むしろ考察のほうに主軸がある。どこかで読んだような考えばかりだな、と思いつつ読んだが、よく考えたら、古井さんの作品に出て来ていることばかりなのだから、そう思って当然だ。苦笑。
- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/11/27
- メディア: 単行本
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