ありがたいことに、ここのところ仕事が立て込み気味。例年、クライアントが人事異動だの予算編成だの新人教育だの花見だのでガヤガヤとしている四月上旬から中旬にかけてはヒマになるのだが、連休直前になると仕事が次々と舞い込むことになる。今年も、土日以外は休まぬつもりだ。カミサンは個展の真っ最中で忙しそうだから、ぼくだけ休むのも気が引ける。
五時五十五分起床。今日も晴れ。暖かで陽射しはしっかりしているだが、空を見上げると意外に雲は多い。中途半端に形のはっきりとした雲が、ところどころ、ちぎれちぎれに薄く伸びている。眺めていたら、カワウが横切った。ツバメも見かけた。
いつもどおり、早朝からガンガンと仕事。別府での取材内容を4ページ分のコピーにまとめあげる。以前はテープ起こしの段階で四苦八苦していたが、数年間さぼっていた速聴を再開してからはヒアリング能力が向上したようで、何度も聞き返すということがなくなった。また、以前は約90分のインタビューすべてを文字にしていたが、最近は取材時のメモをもとにあらかじめ構成を考えてから、必要な部分だけ文字起こしするようにしている。効率は飛躍的に向上した。何時間もヘッドホンで外音を遮断したまま、同じ姿勢をたもってひたすらキーボードを叩くこともなくなった。身体的な苦痛から解放されたのが、なによりもうれしい。
夕方、カイロプラクティックへ。ついでにロヂャース(猫砂、猫缶)とブックスルーエに立ち寄る。ルーエでは、三十年ぶりくらいで山上たつひこの漫画を買った。詳細別項。
カミサンの個展に来てくれたミーコちゃん、ミノちゃんから手づくりパンやクッキー、キャラメルなどをいただいた。ありがとうございます。好物ばかりです。まぢで。
山上たつひこ『中春 こまわり君』読了
ずーっと探していた本を、偶然発見。第2刷が出たらしい。
昭和50年代、「死刑!」で日本中を爆笑させた名作『がきデカ』のこまわり君の、三十年後が描かれている。電機メーカーに勤める営業マンで、奥さんもいれば子どももいるという、ごく普通の人生を歩んでいるのが意外。中年男の悲哀と生き甲斐を、作者ならではの人生哲学をたっぷりと織り交ぜながらリアルに描いている。それだけなら「ビッグコミック」あたりで連載しているフツーの中年サラリーマン漫画となんらかわらん(もっとも、本作も「ビッグコミック」に連載されていたらしい)。本作が異常なのは、こまわり君が子どものころはチンコを巨大化させたりアフリカ象や八丈島のキョンやタヌキなどのドウブツに変身したり尻を刃物にして果物を切ったりしていて、現在もそれがある程度は可能という設定になっており、不条理なギャグもしっかり押さえられていること。いやあ、内容の重さに心を打たれつつも、とこころどころで爆笑してしまった。
人気漫画のキャラの数十年後、という作品は多いが、失望する内容も多いような気がする。だが本作は、決して期待をうらぎらない。小学生のころ「アフリカ象が好き!」とか「八丈島のきょん!」とか「ズルムケ赤チンコ」とか叫んでいたアラフォー世代は必読。
- 作者: 山上たつひこ
- 出版社/メーカー: 小学館
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ベスト・オブ・がきデカ―山上たつひこ自選傑作集 (ワンダーランドコミックス)
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