七時起床。八時、荻窪駅へ。みどりの窓口で、昨日予約した新幹線のチケットを受け取る。いざ、大阪へ。新幹線の車内で、すこし仕事。企画書のおさらい、それから別件を少々。
十二時三十分ごろ、梅田着。T社のN氏と合流し、住宅メーカーE社にてプレゼン。反応は上々。反対意見も賛成意見も出た。いい傾向だ。無反応というのが一番タチが悪い。プレゼンの反応がないときは、大抵の場合選から漏れる。しゃべりすぎて喉がカラカラになった。とんぼ返りで東京に戻る。帰りの車中は居眠りと読書。
二十時、荻窪着。
泰淳「揚州の老虎」読了。これも歴史小説。「王者と異族の美姫たち」は欲望が肉欲・性欲のカタチで吹き出てきたけど、こっちは物欲、金銭欲、支配欲、名声欲、そんな感じかな。
古井由吉『聖なるものを訪ねて』より、「受難の日と受胎告知の日と」。バルドゥンクという十五世紀の宗教画家のキリスト受難画。亡骸となったイエスを抱きかかえ嘆くマリアの表情に、作者は処女懐胎した少女の面影を見てとる。
つづいて「コルマールの日」。キリスト磔刑図は、中世においては流行病に苦しむ人々が、イエスもまた苦しんでいるから、といった形の信仰をしていたらしい、という考察。たしかに紹介されている「イーゼンハイムの祭壇画」に描かれた十字架で息絶えたイエス、その体は槍で刺されたというよりも、皮膚が病気に冒されているといった感じである。