2007-04-11 小島信夫『残光』 読書日記 モデル問題。すなわち、実在のモデルがある小説と実在のニンゲンとの関わり。小説は虚構である。だがそこ虚構に、モデルは実在として、あるいは現実として関わることになる。老作家・小島は、自作を引き合いに出しながらこの難問をどう扱うべきかに取り組んでいる。そのさまが、とにかくスロー。ひたすら引用。そして論考はときおり後ろに戻ったり飛び石したりする。だが、知らず知らずのうちに作品としてのまとまりをつくっていくのだから不思議だ。