わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

堀江敏幸『めぐらし屋』

 蕗子さんは、生前の父のことを、そして父の「めぐらし屋」という商売のことをよく知る人物に会いに行く。思い出に悲しい色はまるでない。死者に関する記憶だからといって、悲しく、そしておぼろげに語る必要などない。こういう部分にもリアリティを感じるなあ。